『図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ』にまつわるあれこれ。

まだまだ余震の続く東京ですが、がんばって働いてます。
被災されたみなさんに僕のできることはほんのわずかですが、
そのわずかの中の一つは、こうして日々仕事をすることだと思っています。

さて本日発売の新刊は
クリス・マクナブ『図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ』

図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ

図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ

これはヒトラーが政権を握って戦争へと突っ走るドイツ第三帝国の内実を
グラフや地図、表などを駆使して紹介したものです(カラーだよ)。
大盤振る舞いの経済政策で市民の心をつかみ、選挙を通じて与党になったナチスは、
その公共事業拡大政策をがっつり実行して失業者を吸収したり、
戦争準備もかねて重工業推進政策で国力を増していきます。
そしてドイツ国民の自尊心を煽り鼓舞しながら盤石の体制を築いていきます。

こうしたドイツの国力の変化(失業率や給料の変化とかカロリー摂取とか余暇とかいろいろ)を
図表は捉えていきます。と同時に図表からはほころびも見えてきます。
国民に充分な仕事と食糧を行き渡らせるためにも国土面積が足りません。
国土を増やすには軍事力を背景とした強烈な圧力とその行使です。
ドイツ人以外を徹底的に排除し、やがて英米を中心とした戦争が始まり、
ソ連も逆襲を開始して、ドイツは負けの見えている二正面戦争に突入、
結果は歴史の通りです。

昨年の同じ時期にマシュー・セリグマン他『写真で見る ヒトラー政権下の人々と日常』という本を出し、
週刊文春」で立花隆さん、「朝日新聞」で逢坂剛さんに取り上げていただきましたが、

写真で見る ヒトラー政権下の人びとと日常

写真で見る ヒトラー政権下の人びとと日常

まだまだ僕たちはあの時代のドイツから学べることが多いような気がします。
お手にとってみてはいかがでしょうか。