『パニック・パーティ』の書評が出ますた

「バークリーのシャエリンガムものなのにいつまでも訳されないって、どうよ?」
という声を聞きつつも、刊行してみたら好評で迎えられてほっとしたのが
『パニック・パーティ』ですよ。
書評も出てきましたね。

まずは「ジェイ・ノベル」12月号から千街晶之さん評

ファンの好奇心を煽り立てていた幻の作品である。
シニカルな笑いで彩るのがバークリー流、
読んで損はない異色作


それから「ミステリマガジン」2011年1月号から三橋曉さん評

ミステリのアンチテーゼは、いかにもひねくれた作者らしく、
シェリンガム最後の事件に相応しい内容といっていい。


それから「日本経済新聞」11月24日から野崎六助さん評

あまりの型破りのため翻訳を見送られてきた、曰くつきの代物だ。
進行しようとしないストーリーを、ただ会話と人物描写の妙で読ませてしまう。
皮肉に示された推理小説への愛だ。


ほんとにありがとうございます。今年は海外ものって
ピーター・アントニイ『ベヴァリー・クラブ』と
このアントニイ・バークリー『パニック・パーティ』
しか出さなかったんだけど、なんか二作とも良い評価が多くてうれしかったさ。
『ベヴァリー・クラブ』(横山啓明訳)と『パニック・パーティ』(武藤崇恵訳)にいえるのは、
両作とも訳がよかったこと。そういう意味じゃ編集者はちょっと楽させてもらいました。
仁賀さんのお弟子さんは優秀でまじめな方が多くてありがたい。

パニック・パーティ (ヴィンテージ・ミステリ)

パニック・パーティ (ヴィンテージ・ミステリ)