6月の新刊はちょっといつもと違うのよ

このところ東京は雨続きで、そうすると仕事の合間の散歩ができなくてちょっとお腹がぼってりの僕です(働けよっ)。
日本推理作家協会賞受賞ぱーりぃも盛況に終わり、某選考委員の作家さんに『官能的』の評価をじっくりうかがったりと、なかなか充実してました。お腹減ったけどね。

さて、6月の新刊はまず、ミステリー・リーグからで、

二階堂黎人編『不可能犯罪コレクション』
オール書き下ろしのアンソロジーで、

石持浅海「ドロッピング・ゲーム」
大山誠一郎「佳也子の屋根に雪ふりつむ」
加賀美雅之「『首吊り判事』邸の奇妙な犯罪」
鏑木蓮「花はこころ」
岸田るり子「父親はだれ?」
門前典之「天空からの死者」

の6編。

誰もいない屋上からの転落死や衆人環視の舞台上での殺人、自分が犯人としか思えない状況……などなど気鋭ミステリー作家ならではの作品が並んでますよ。


それからもうひとつは単発のソフトカバーとして。

北國浩二『リバース』
帯にあるように、乾くるみさん推薦の逆転劇。

ややお高い系の彼女をイケメン医師にとられちゃう、っていうか彼女が乗り換えたような感じもするんだけど、この、知らない間に元カレになってしまった男の子が主人公。元彼女が殺されちゃうと言われ、それもそのイケメン医師に殺されるんだと聞き、もう何もかも放り出して彼女の救出を試みようとする。
まわりはもちろんどん引き。「もういい加減忘れてしまえ」とか「迷惑なんだよ」とか言われ放題。でも彼は挫けず、ストーカーまがいといわれようが彼女を追い続ける。

って書くと、ちょっと痛々しさの残る青春恋愛小説なんだけど、もちろんそれじゃあ終わらないし、『イニシエーション・ラブ』の乾くるみさんに推薦をお願いした意味もない。あうもう書けない。こちらもぜひお手にとってくださいな。