5月の新刊は獅子宮敏彦さん

獅子宮敏彦さんといえば、「神国崩壊」で創元推理短編賞を受賞した方で、この創元の短編賞は「鮎川賞より取るのが難しい」などとも言われていたりした難関。ほら短編賞の作家だけで『推理短編六佳撰』なんていう傑作ができちゃったくらいの。
その獅子宮さんの新刊は、「神国崩壊」を含む連作集のつくりになっていて、やはり中国らしき架空の「中原」を舞台にしたファンタジックな歴史ミステリに仕上がっている。「世界」を作り上げる構成力もさることながら、「その物語にこそ馴染む仕掛け」がそれぞれに配置してあって、感心することしきり。

『神国崩壊 探偵府と四つの綺譚』

神の水で死ぬ者と生き残る者、城壁をすり抜けた軍隊、全身に布を巻き付けた男、砂漠に消える都市、そして、残された奇書の真相。「読み応えありと言わねばなりません」(by トビー)


それからね、ぜんぜんミステリじゃないほうで、「ミリメシ」のレシピ本を準備してます。糧食、レーションという軍隊のご飯の作り方で、米軍が代々作り続けてきた飲み物からメインディッシュ、デザートにいたる数多の「料理」を紹介したもの。「砂糖 3.9kg」とか豪快なのもあって面白い。だいたい100人分のレシピと10人分があるから、100人分は自衛隊のみなさんへ、10人分は野外キャンプのみなさんへ、そして10人分を半分にしてご家庭に、のような感じになると思う。
ミステリ読んでお腹が空いたらこちらもぜひね。