小島正樹『十三回忌』まもなく店頭に

小島正樹さんの初の単著、長編デビュー作の『十三回忌』に島田荘司さんが推薦文を寄せてくださいました。

「いま、若武者は解き放たれた!」

まさしくそういう勢いと濃度を備えた堂々とした作品になったと思う。

宇津城家当主、恒蔵の妻が不審死を遂げた。しかし警察はこれを自殺として捜査を打ち切ってしまう。
思えばそれが不可解な連続殺人事件の始まりになった。
その一周忌には円錐形のモニュメントに真上から突き刺さった死体、
三回忌には木に括りつけられさらに首を切られた死体、
七回忌には滝に打たれ唇だけ切り取られた死体……と続いていく。
犠牲者はいずれも恒蔵の愛人の娘たちだった。
そして十三回忌を迎える。
厳戒態勢のなか、やはり事件は起こった。

復讐の神が奇跡を起こす。
今年度最大級のどんでん返しがあなたを待つ!

という感じのをamazonの紹介文に載せようと思うんだけど、こうしてまとめてみてもやっぱ作品の側面にしかすぎないんだよね。
真価は別のところにありそうな気もして。

十三回忌 (ミステリー・リーグ)

十三回忌 (ミステリー・リーグ)


さて、今月はほかにもう一丁、大物を出しましたよ。

『ヴィジュアル・データ百科 現代の世界』

ヴィジュアル・データ百科 現代の世界

ヴィジュアル・データ百科 現代の世界

これはイギリスの本で国際共同出版なんだけど、重いデータのやり取りでずいぶん苦労もしたけど、ほんとこれはたくさんの人に勧めたい。編集作業をしながら調べ物なんかしていてずいぶん勉強にもなったし、意外な日本の姿(データを通じた)とかにうなったりも。
監修は国際政治学者の猪口孝教授。日本語版刊行の際して、推薦文をいただいたりもした。

池上彰(ジャーナリスト)
私たちは、どこに立っているのか。その場所の全体像を、どう示すのか。それに答えるのが、この本だ。
全体像を、図版やグラフで把握したら、その分析は、あなたご自身で。これが、この本の特徴だ。「世界はこうなっている!」という一方的な押しつけは、ない。
豊富な図版や統計データ。そこから何を読み取り、未来をどう予測するか。その楽しい作業は、あなたに任されている。


弘兼憲史(漫画家)
報道などで非難されたらそれが本当に「悪」であるか、評価されたら「善」なのか、結局は自分自身で判断しなくてはならない。それには統計情報がいちばんだ。本書はその統計を工夫を凝らしたグラフにしたり短いコラムにまとめて、できるかぎりわかりやすくポイントを指摘してくれる。
日本という国が、これからどこへ向かっていったらいいのか、世界の中でどう振る舞えばいいのか、考えさせてくれる一冊である。

ここまできてちょっとほっとした。
ほっとしたら『本格ミステリ・ベスト10』がもうスタートだったさ!