月イチじゃいけないじゃん!

あっという間に夏至を越え、半年が過ぎようとし、そんななか、忙しさのピークを迎えているオレですこんにちは。
こつこつこつこつ仕事をして、今月も無事出せました。

霧と雪 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

霧と雪 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

マイケル・イネスの「新刊」。事件が起こったその瞬間にドアをこんこんするのがアプルビイ警部。建物の中には一族郎党が勢揃いしている。その中のひとりが銃撃されたらしい。とすれば犯人はこの中にいるはずなのだが、そこはそれ、みんなが好き勝手な「推理」を開陳していってそのどれもが微妙な嘘くささと真実ぽさを感じさせ、しまいには主人公(なんと一人称視点なのさ)が……。
森さんの解説もいつもより力が入っている感じ。

続いて探偵小説研究会による評論集というか読書ガイド集というか、いろんなものをくっつけたりはなしたりしながら各人はそれぞれの道筋を歩いているような気もしつつ、巽さんの「まえがき」を読むとそれが実は相似的な動きともいえなくもない……という不思議な味わいの本になった。

そういうわけでいま、もうすでに来月の新刊は第四コーナーに入ってきているのだったよ。

二階堂黎人『鬼蟻村マジック』は一見オーソドクスな構成を読者に見せておいて、そのうえで技ありといえるトリックがしっくりと収まっている感じ。
門前典之『浮遊封館』は異形の論理というか動機の突出っぷりに愕然。

来月も同時刊行さっ。目指せ7月20日刊!

んで、ミステリばっかやっているように見えて、じつはいま影でこそこそ今年一番大きな本(文字通りサイズが大きいのB4判)を進めていたりする。
『ヴィジュアル・データ百科 現代の世界』というタイトルで、世界が抱える問題点や不安や希望や現実を、文章を抑えぎみに、フルカラーの図版や一目瞭然のグラフ、表などで紹介したもの。これがまた……やっかいなんだけど、中身はものすごく面白くてついつい読み込んでしまって誤字を見逃しちゃったりだ。やばいぞ。