だんだんこっちに来る台風
夕方になって風が強くなってきた新宿だけれど、雨はいまんとこあんまり。これから降る様子。湿ったべっとり空気が風に乗ってきて汗がじんわりで嫌な気分。こっから自宅へ帰るのには荒川と江戸川を越えていかねばならない。だいじょうぶなんだろか明日。
さて、石持浅海さんの新刊(ありがとうございます、さっそく読ませていただきました)、『Rのつく月には気をつけよう』
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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これは飲み会で話題に上った「不思議」を飲みながら議論しつつ「解決」させてしまうという連作集。酒に合う「美味しい物」が手にはいるとメンバーを集めてこれを賞味するわけ何だけど、殻牡蠣とか豚の角煮とかいかにも旨そうに書いてあるもんだからこれは腹が減る。牡蠣にあたったことがあってしばらく口にできなかったけどこれを機会に食べてみようとする女の人の話を聞き、そのなかのちょっとした「ほつれ」からぐるっと別の世界を見せていくといった手際などさすが。
しかも、こういうあれでああいうあれは予想していなかっただけにびっくりだったし。
それから柴田よしきさんのサイン会でゲットした『朝顔はまだ咲かない──小夏と秋の絵日記』
- 作者: 柴田よしき
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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これは高校でつらいことがあってひきこもりになっちゃった小夏と同級生の世話焼き娘秋との悲喜こもごもの連作集。こっちは主人公が未成年だから酒は飲まないが──あ、飲んでたが──マンションの一室でケーキをむさぼりながら会話の中で「真実」を見つけていったり、少しずつ外に出るようになってその変化に戸惑いながらもそれだから生まれる謎に立ち向かっていったり。
石持さんの作品もそうだけど、いわゆる安楽椅子探偵もののスタイルを持ちながらも「思考機械」に陥ることはないし、「日常の謎」的な側面はあるんだけどその結末が意外に黒かったりと面白い。