森、消失!

夏になるとカブトムシやクワガタを見物に(あんまり獲っちゃっても飼えないからこのところはもっぱら見るだけ)、数年前から成田空港近くの雑木林に出かけていた。間近に飛んでくる旅客機を見られるし、夕方になると櫟の樹液を目指してカブクワがわんわん飛んでくるというパラダイスだ。
今年は6月に第1回遠征をしたんだけど、異変はそのときにあった。森に一部にキャタピラの跡が残っていたのよ。なんか小道でも作るつもりかなー、なんて話していたんだけど、そんなのんきな話じゃなかった。
こないだの休日、天気も良かったしクワカブもさぞやと、わくわくしながら成田へ向かった。成田空港の南側を走る県道から脇道にそれた田園地帯、そこにぼわっとあるはずだった木々が、……1本もない。
柵で区切られ木はすべて切られて丸太になって放置され、更地になった地面は、あれほどほこほこと柔らかかった土が固まって雑草がちらほらと。
なーんにもなくなってしまったそこには、こんど流通センター的なものができるんだそうだ。成田のまわりはいま、そういう関係の建物がどんどんできているようだね。
しっかし、よりによって、ここか。
さびしいけど仕方ないっちゃあ仕方ない。どこかに作らないと僕らが不便になるんだろう。そう考えてなかば諦め、今度の休みには新たな「聖地」を探しに行こうと決めた。