クレイトン・ロースン『虚空から現れた死』出ました。

虚空から現れた死 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

虚空から現れた死 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

お待たせしました。ヴィンテージ・ミステリからクレイトン・ロースンの「新刊」です。
これはグレート・マーリニシリーズと対をなすもう一人のマジシャン探偵、ドン・ディアボロが活躍するスチュアート・タウン名義の
Death out of Thin Air の邦訳です。
二つの中編が収められていて、「過去からよみがえった死」では、ディアボロをたずねてきた若い女性がちょっと目を離した隙に外からやって来たコウモリに噛まれて死んでしまう、しかもそこコウモリはあっという間に窓から出て行ってしまうし、という話。犯人らしき動物?が消えてしまったので、直後に来た警察にディアボロ自身が疑われてしまう。拘束されては真相が掴めないと、今度はディアボロまでもがその部屋から消えてしまうのだ。
もうひとつの「見えない死」は、なんと警察署で透明人間に警察官が殺されてしまうというとんでもない物語。その後、別の警視の元へ「見えない男」から手紙が届く。宝石の泥棒予告、そして警察官殺しの自供文だった。
……森英俊さんの解説にもあるように、これはいわゆるパルプ雑誌に掲載された作品で、そのために物語の展開は早くわかりやすく、少しどたばた気味。これがロースンにはプラスに作用してるような気がする。起伏あるプロットと仕掛けで一気に書き上げてしまったような感じ。
ぜひお手にとってくださいな。

http://www.harashobo.co.jp/mystery

で、ちょっと本文が読めたり。