クレイトン・ロースンと本格落語ミステリ

ああ。ご無沙汰してしまいました。
クレイトン・ロースン『虚空から現れた死』(Death Out of Thin Air by Stuart Towne)がやっと先週終わり、これから印刷してだいたい25日くらいから本屋さんに並び始めると思います。


ここでは2つの中編は収録されていて、
「過去からよみがえった死」
「見えない死」
といずれも「もうひとりのマジシャン探偵」ドン・ディアボロが主人公。
どちらもいい意味でのパルプ系というのか、物語の派手さ、登場人物の軽快さがとても気持ちよく、双方とも長編レベルのネタをぎゅっと中編に絞り込んでなおメリハリのきいた上質のミステリに仕上げてるあたりはさすが! 密室、消失、降霊術、透明人間、大泥棒……こういう要素が惜しげもなく投入されしかも舞台はニューヨーク。
ソフィスティケイトされたカー、といったら言い過ぎか。

それから来月8月には久しぶり、愛川晶さんの書き下ろし本格落語ミステリ『神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件』が刊行予定。二つ目の噺家・寿笑亭福の助と奥さんの亮子さん。このふたりの周辺で起きるこんなことやあんなことを「落語で推理する」という趣向になっていて(ってうまく言えないが)、そのへんがこの物語のミソになっている。
じつはついこないだ、都内某所をデジカメ片手にあやしく歩き回ってきましたよ2人で。
「あの電信柱の陰に隠れる」とか「やっぱ1人は死なないと」など不気味な会話をしつつ。
『道具屋殺人事件』はまたもう少ししたら改めて紹介しますんで、よろしく。