桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』

遅ればせながらなんだけど、この日本推理作家協会賞受賞作を読了。いやほら、来週はこれの受賞パーティもあるしさ。

この物語は大きく三部に分かれていて、それぞれ「おばあちゃん」「おかあさん」「わたし」が山陰と製鉄をめぐる時代を舞台に生きていく話になっている。さまざまなエピソードを通過しながら生きていきそして死んでいく女たちの姿、……ではあるんだけど、なんかこれではぜんぜん説明になっていない。あらすじも説明しないほうがよさそうだし、ミステリかといわれると「いや、違うでしょう」と言ってしまいそうだし。
読んでいる最中にひとつ、頭に浮かんだ作品がある。『ガープの世界』。
とにかくこんな面白い小説を読むことができて本当に幸せだよ。そういう気持ちになりました。
それからこの第二部の「おかあさん」はぼくと同世代なんですね。そこかしこに飛び出してくる風俗に、昔を思い出して妙に恥ずかしくなったりもしましたさ。

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説