桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
遅ればせながらなんだけど、この日本推理作家協会賞受賞作を読了。いやほら、来週はこれの受賞パーティもあるしさ。
この物語は大きく三部に分かれていて、それぞれ「おばあちゃん」「おかあさん」「わたし」が山陰と製鉄をめぐる時代を舞台に生きていく話になっている。さまざまなエピソードを通過しながら生きていきそして死んでいく女たちの姿、……ではあるんだけど、なんかこれではぜんぜん説明になっていない。あらすじも説明しないほうがよさそうだし、ミステリかといわれると「いや、違うでしょう」と言ってしまいそうだし。
読んでいる最中にひとつ、頭に浮かんだ作品がある。『ガープの世界』。
とにかくこんな面白い小説を読むことができて本当に幸せだよ。そういう気持ちになりました。
それからこの第二部の「おかあさん」はぼくと同世代なんですね。そこかしこに飛び出してくる風俗に、昔を思い出して妙に恥ずかしくなったりもしましたさ。
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/28
- メディア: 単行本
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