『百万のマルコ』

百万のマルコ (創元推理文庫)

百万のマルコ (創元推理文庫)

読了。マルコ・ポーロが主人公の連作短編集なんだけど、これは素晴らしいですね。このところ高レベルの作品を連発している柳広司さんのなかでもトップクラスと断言してしまおう。

なぜか牢の中にいるマルコ・ポーロが捕虜たちの暇つぶしに中国にいたころの話を聴かせていく、という構成で、いわゆる「安楽椅子探偵」もののヴァリエーションではある。そこで、ちょっとした心理の陥穽をユーモラスに突いてくるんだけど、どの作品も巧みで感心してしまった。読んでしまうと「なんだそういうことか」とちょっとくやしい気持ちになる。たとえば「山の老人」とか「半分の半分」のあれは有名なアレなんだが、とてもスマートに書けているのでついつい欺かれてしまう。

今日から「帰ってきた時効警察」だね。絶対帰ってやる! 録画はしない。録画するとそれだけで見た気になっちゃって、前に録画した「古畑任三郎」も見てないオレです。