石持浅海さんの『この国。』は6月10日刊行予定

治安警察官は言う。「この国のために」
反政府運動家は言う。「この国のために」
だからこそ活きる論理がある。
だからこそ起きる事件がある。

そして問い掛ける──「この国のどこが不満だ?」

石持ワールドの真骨頂!


というわけで石持浅海さんの最新刊『この国。』は6月刊行です。
「この国」はいったいどんな国かというと、たとえば



一党独裁の管理国家であるこの国では
国家に対する反逆はなによりも罪が重い。

人材育成をなにより重要視するこの国では
小学校卒業時に児童の将来が強制的に決められる。

非戦平和を掲げるこの国では
士官学校はたんなる公務員養成所となっている。

経済の豊かなこの国では
多くの外国人女性が売春婦としておとずれる。

文化を愛するこの国では
「カワイイ」をテーマに博覧会が開かれる。

という。そういうこの国ならではの事件や謎、そして行く末が描かれていく……




ものすごく石持さんらしい、というかセンスが凝縮されてる作品という気がしている。
たとえば日本推理作家協会賞の最終候補にまでなった「ドロッピング・ゲーム」はこの国の進路競争をめぐる物語で、小学生たちのある独特の心理状態が謎に結びついていくという秀作。

今年になって『リスの窒息』『攪乱者』と確実に好打を飛ばしている石持さんの新刊、どーかよろしくご贔屓のほどを。