ちらっと話題になったので西澤保彦さん、黒田研二さん

昨夜ちらっとtwitterで何人かにリツイートされたりしたのでね。
西澤保彦『聯愁殺』と黒田研二『今日を忘れた明日の僕へ』のことなどを。


聯愁殺 (ミステリー・リーグ)

聯愁殺 (ミステリー・リーグ)

見ず知らずの若い男に殺されそうになりながらも、なんとか助かった梢絵。
だが、なぜ自分がこんな目にあったのかがまったくわからない。
警察の調べでは、男の手帳に残されたメモから、彼が連続無差別殺人事件の犯人であることが濃厚であるという。
最後のターゲットの梢絵だけが助かったのだとも。
ところが男は事件後に失踪し、以来、行方が知れない。
事件から四年後、梢絵は、男が自分を襲った理由をはっきりさせるため、〈恋謎会〉 に調査を依頼した。
各メンバーはそれぞれが持ち寄った?証拠?をもとにさまざまに推理を繰り広げるのだが……。

当時も思ったんだけど、内容紹介としてはこれ以上書けなくて、でもこれだといわゆる推理合戦的な本格推理なのね、ふーん、で終わってしまいそうな気もして、あんなこととかこんなことまで思わず書いてしまいたいっ、と身悶えしたもんでした。


今日を忘れた明日の僕へ (ミステリー・リーグ)

今日を忘れた明日の僕へ (ミステリー・リーグ)

事故で記憶を蓄積できないからだになった僕は、失われてゆく記憶をとどめるため、かかさず日記をつけてきた、と妻は言う。
驚いたことに、事故から半年のあいだに、いちばんの親友が失踪したのだとも。
……僕の事故と同じ日に死んだ妻の友人、親友の失踪直前に「自殺」した女子高生、さまざまな謎に取り巻かれていく僕。
もしかしたら、「僕がすべての原因なのか?」

前向性健忘症になってしまった「僕」がつける日記は明日の「僕」が僕であるためにどうしても必要なんだけど、明日の「僕」はそれを書いたことすら忘れている。……ああもう書けない。なにがどう結びついて物語が再構築されるのか、どうか驚いてください。


きのう嬉しかったのは、この両作とも決して新しい本じゃないんだけど(ミステリー・リーグ1年目の作品なのよ)、「昨日読みましたー面白かったーっ!」みたいな感じに(僕には)受け止められて、「読者と作品は出会ったときが新刊」と大切なことを思い出させてくれましたよ。ありがとう。