福ミス、第2回授賞式と映画化に寄せて

3月26日から28日にかけて、島田荘司さん、それから講談社、光文社各担当編集者といっしょに広島県福山市へ行ってきた。
島田荘司選第2回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の授賞式。
金曜日の夕方に福山に着き、そこで福山市の事務局の皆さんと打ち合わせおよび会食。
翌日は授賞式に先立って、『少女たちの羅針盤』映画化の関係者顔合わせ会もあったりしてばたばたと忙しそうなので早めにお開きとなった。


劇場用映画『少女たちの羅針盤』はプロデューサーも「まずスタッフは国内トップクラスの人で固めた」と自信を見せるように、

監督・長崎俊一(「八月のクリスマス」「西の魔女が死んだ」など)
撮影・柳島克巳(「ソナチネ」「座頭市」など)
録音・弦巻 裕(「釣りバカ日誌」「ゲゲゲの鬼太郎」)
美術・部谷京子(「北の零年」「容疑者Xの献身」など)

と、ものすっごいことになっている。出演者もオーディションなどなどを行って、
5月16日(日曜日)の福山ばら祭 http://www.bara-matsuri.jp/ のときに
主演女優やスタッフ、原作者の水生大海さん、島田荘司さんが集まってイベント的な発表会をやるようだ。
こちらも詳細が決まったら告知します。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20100327-OYT8T00942.htm

それから授賞式。第2回受賞者の叶紙器(かのう・しき)さんは緊張しまくりだったけど、島田荘司さんやゲストの二階堂黎人さん、小森健太朗さん、湊かなえさんたちとの楽しいトークもあったりしてノンアルコールの和気藹々の2時間だった。東京創元社文藝春秋、南雲堂からも編集さんがいらしていた(誰かホテルのチェックアウトを忘れて東京に戻ってしまったの?)。

叶さんの受賞作『伽羅(きゃら)の橋』は老人施設を舞台のひとつにしたミステリなんだけど、疾走と快哉の物語といっていい。そして第二次世界大戦の大阪空襲時に起こったある事件と老人施設に入った老女、そして彼女を救おうと奔走する主人公の、回復の物語でもある。

伽羅の橋

伽羅の橋

ぜひお手にとって下さいな。

さて、授賞式も終わり、懇親会(二次会)はちかくのタイ料理店。ここでは飲んで食べてしゃべっての賑やかな大宴会。島田荘司さんが、僕が前に話した「ドアはロックされ窓も閉め切られた自動車の中にある他殺死体」というネタを披露してしまい、もしかしたら福山の人たちに「原書房の編集はアホなんじゃないか」と思われたかもしれなくてちょっと恥ずかしかった。あとで家人に「夜はタイ料理」とメールしたら、「ふん、やっぱり瀬戸内は鯛か」と誤解もされた。

三次会のカラオケでは某編集さんがすでに酔っぱらい。そのあとのことはもう書けないよ。


さて、来年3月にある次の授賞式には原書房から刊行される受賞作が並んでいるはず。
精魂こめて作ろうと思っている。良い作品、お待ちしています。