『少女たちの羅針盤』水生大海

7月10日刊行予定なんだけど、早くも新聞で紹介されますた。

中国新聞です。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200906230101.html

島田荘司選第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作の『少女たちの羅針盤』。

短編ホラー映画主演女優としてロケ現場にやってきたマリア。そこで監督に意味ありげに言われる。「きみ、羅針盤にいた子だよね」と。マリアに忘れさりたい過去が甦る。伝説の女子高生劇団「羅針盤」。監督はさらに言う。「一人、死んでるんだよね」
羅針盤はメンバーの死と共に活動を停止した。マリアが殺したのだった。監督はいったいどこまで知っているのか。疑心はふくらむ。
そして物語は四年前、羅針盤の誕生と死へと移ってゆく。

物語はマリアが次第に追い詰められていく「現在」のパートと、羅針盤の物語「四年前」のパートが交互に紡がれていき、最後に殺人事件が「現在」のパートで暴かれます。誰が殺されたのか、マリアとは誰だったのか、そして誰が彼女に復讐しているのか。様々な謎が解き明かされていきます。
また「四年前」のパートの羅針盤の描写は、これだけで一級の青春小説といえます。高校の演劇部だけでは収まりきらないエネルギーを羅針盤にぶつけた女子高校生四人組。小さなぶつかり合いや葛藤はあるものの、ストリートで懸命に演じ、少しずつ人が集まってきます。やがて大きなフェスティバルで彼女たちは声にならないほどの感動を得ることになります。これも大きな読みどころです。

といったような物語なんだけど、ミステリとしても青春小説としてもよくできていると思いますよ。ちなみに帯には

青春小説の躍動と、復讐劇の鼓動。
絡み合って読み手を揺さぶる傑作。
──島田荘司

と推薦文が入ります。

上記の劇団「羅針盤」のメンバー四人組のキャラクターもよく書かれていて、誰かを軸にしてこれはシリーズで読みたいなーとも考えてます。
おっ、amazonにもデータが入ったので貼っときますよ。

少女たちの羅針盤

少女たちの羅針盤