『官能的』が日本推理作家協会賞の最終候補作に

鳥飼否宇『官能的 四つの狂気』が第62回日本推理作家協会賞の候補作に選ばれましたよ。
去年の三津田信三『首無の如き祟るもの』に続く、2年連続のノミネート。こうして認知度が高まっていくのもありがたいですホントに。
さて今回のノミネート作は

『還るべき場所』 笹本稜平(文藝春秋
『官能的 四つの狂気』 鳥飼否宇原書房
カラスの親指』 道尾秀介講談社
ジョーカー・ゲーム』 柳広司角川書店

の4作。うわっ、濃いね。
なかでも『ジョーカー・ゲーム』の柳さんは感慨深い。
デビュー作『黄金の灰』は僕が手がけたのでしたよ。シュリーマンが「探偵役」となって伝説のトロイヤ遺跡発掘をめぐる事件に遭遇する物語。
ちょっとクセのある翻訳調のような文体が、リアルのようでいて知らない間に幻想味をまとわせているような、特徴ある作品でしたね。
次作の『饗宴 シュンポシオン』は今度はソクラテスが探偵役で、哲学と歴史を「喜劇」に仕立てつつ、ミステリとしてもきっちり仕掛けた好品でした。

4月の選考会が楽しみだ。

って、もしかして鳥飼さんと南の島で待つのか? 海を見ながらなのか?
いやその前に原書房は出張旅費を出してくれるのか?