立花隆氏が『現代の世界』を文春で

発売中の「週刊文春」の文春図書館で立花隆氏が
『ヴィジュアル・データ百科 現代の世界』を評している。

ヴィジュアル・データ百科 現代の世界

ヴィジュアル・データ百科 現代の世界

さまざまな視点から現代社会の直視しなければならない問題を「ヴィジュアルで」提示した本書の、
意外なデータや見応えが、率直に評価されている。ありがとうございます。


『現代の世界』ではあるけれども、問題はもちろんこの日本にも敷衍されていて、
たとえば医療では、「医者が少ないから地方の病院がなくなって格差が起こる」ということになっているけれど、データを見ると、


人口1万人あたりの医師とベッド数

日本   20(医師数) 129(ベッド数)
カナダ  21       36
イギリス 23       39
アメリカ 26       33
フランス 34       75


といった具合に(本書ではグラフになってる)紹介されている。
確かに医師数はフランスなど西欧に比べて少ない。
ただカナダ、アメリカ、イギリスと比べるととくに少ないということもないようだ。
国土面積(人口密度)をあわせて考えると、さらに差は縮まるのではとも。


それからなんでベッド数だけは世界最高水準なんだろう(ちなみに北朝鮮が132、ロシアが97)。
グラフで見ると、医師とベッド数はおおむね2倍のなかに収まっているんだよね、世界。
日本は突出してバランスを崩している。これはどうしてなのか。


医者の数は確かに少ない方かも知れないが、これほど地方の医療崩壊が叫ばれるのだとしたら、最大の問題はシステムにあるんじゃないのか。


なんていうふうに考えを進めていけたりするのだ。

などなど、本書の1ページ、1つのグラフでこうしたいろんなことを考えることができる。