立花隆氏が『現代の世界』を文春で
発売中の「週刊文春」の文春図書館で立花隆氏が
『ヴィジュアル・データ百科 現代の世界』を評している。
- 作者: ケンブリッジ現代社会国際研究所,猪口孝
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2008/10/10
- メディア: 大型本
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意外なデータや見応えが、率直に評価されている。ありがとうございます。
『現代の世界』ではあるけれども、問題はもちろんこの日本にも敷衍されていて、
たとえば医療では、「医者が少ないから地方の病院がなくなって格差が起こる」ということになっているけれど、データを見ると、
人口1万人あたりの医師とベッド数
日本 20(医師数) 129(ベッド数)
カナダ 21 36
イギリス 23 39
アメリカ 26 33
フランス 34 75
といった具合に(本書ではグラフになってる)紹介されている。
確かに医師数はフランスなど西欧に比べて少ない。
ただカナダ、アメリカ、イギリスと比べるととくに少ないということもないようだ。
国土面積(人口密度)をあわせて考えると、さらに差は縮まるのではとも。
それからなんでベッド数だけは世界最高水準なんだろう(ちなみに北朝鮮が132、ロシアが97)。
グラフで見ると、医師とベッド数はおおむね2倍のなかに収まっているんだよね、世界。
日本は突出してバランスを崩している。これはどうしてなのか。
医者の数は確かに少ない方かも知れないが、これほど地方の医療崩壊が叫ばれるのだとしたら、最大の問題はシステムにあるんじゃないのか。
なんていうふうに考えを進めていけたりするのだ。
などなど、本書の1ページ、1つのグラフでこうしたいろんなことを考えることができる。